―― KLabさんがどういった会社でどんな事業を手掛けていらっしゃるのか、あらためて教えていただけますか？

塙：我々は「世界と自分をワクワクさせろ」というミッションを掲げ、主にスマートフォン向けのゲームを提供しています。日本だけではなく、世界155の国と地域に向けてゲームを配信するグローバルパブリッシャーとして、サービス提供を行っています。オンラインゲームを提供していく上で特に「サーバサイド」の性能というものはとても大事になってきます。その為、ISUCON は業務でコアに関わらない人もトレーニングとしてパフォーマンスチューニングができるとても良い環境だと認識しています。

―― KLabさんの社内で、ISUCON に参加したことがあるという方はどのくらいいますか？

塙：社内のメンバーが最初に出場したのは ISUCON2 からで、かなり初期から参加していたと聞いています。それ以降、社内チャットの技術雑談部屋で ISUCON のことがよく話題に上がるようになって、ISUCON4 くらいからは「チームメンバー募集するよ」とか「事前の勉強会やるよ」などと盛り上がるようになりました。実は私自身も ISUCON4 で本戦出場を果たしているんですよ（笑）。 会社のメンバーで組んだチームが優勝した頃（ ISUCON6 ）は毎回社内から3〜5チームが出場していましたね。

―― 優勝後の ISUCON7 では出題していただいたこともあり大変お世話になりました。当時特別にプロジェクトを立ててオフィスエリアに専用の会議室を用意されたと聞きましたが？

塙：そうですね、その通りです（笑）。その時は「どうしても次回参加者として参加したい人以外は作問に協力してください」という形で社内で知見のあるメンバーを募集して作問チームを立ち上げました。当時、定員8人くらいの小規模プロジェクトを行うための部屋がたまたま空いていたので貸し切ることにして、日々ああでもないこうでもないと作問するということをしていましたね。

―― ISUCON のスポンサーは、過去に出題やインフラ提供をしていただいた会社様に割引価格で提供しています。前回の ISUCON10 と今回の ISUCON11 でプラチナスポンサーとして協賛いただくことになりましたが、スポンサーを決めてくださったきっかけはどういったところだったのでしょうか？

塙：ぼくらは、ISUCON は技術イベントのお祭りみたいなものだと思っていますし、そもそも社内に ISUCON が好きなメンバーも多いというのもあってとても注目しているイベントです。スポンサーの案内をいただいた時は「これまでスポンサーが無かったのか」と驚きつつも、一方ですぐに申し込みを決めました。というのも、ISUCON に参加されている選手の皆さんは業界的に強いこともありますし、KLabとして技術の側面でアピールすることで技術広報価値も非常に高いと考えたためです。同時に、期待しつつもすぐに効果が出るようなものでもないとも思っているので、ゆくゆく数年後くらいに参加された皆さんや関係者の方々と何かしらの縁がつながっていく機会の創出になればと考えている次第です。

―― ありがとうございます。仰って頂いた通り、確かに ISUCON10 で初めてスポンサーを募集したのですが、実はKLabさんが一番最初にご連絡をいただいたのを今でも覚えています。あらためて、ISUCON11 に参加する選手の皆さんにメッセージをお願いします。

塙：ISUCON が開催されていた初期の頃は「その道のプロのお祭り」といったイメージがありましたが、回を重ねていくことで学生さんの間での知名度が上がってきていると感じます。学生さんの立場でこれほど高負荷な環境に触れる機会はなかなかないと思うので、ISUCON11 への参加を通じて楽しみつつ技術的な知見を深めてもらえればと思っています。また、普段から業務として同様の環境に触れている社会人の皆さんにはぜひ日々の経験を活かしながら、その実力を発揮していただきたいですね。



―― 最後に何か宣伝などがあればぜひ！

塙：では2点ほど告知させてください。1つめはKLabが主催するイベント「天下一プログラマーコンテスト」といういわゆるプロコンについてです。次回は2021年9月下旬頃に開催予定で、ISUCON11 本選の直後の日程で調整中です。昨年に続きオンラインゲーム形式で開催予定で、事前に練習セッションも開催します。上位者ならびに抽選で賞金（ギフトカード）を贈呈予定ですので興味を持っていただけた方はぜひご参加ください。 2つめは、今冬（12月頃）に新たにバックエンド向けの技術系イベントをKLabで開催予定です。こちらも後日あらためて詳細をお知らせしますのでぜひ楽しみにお待ちください。