ISUCONは多くのスポンサー企業により運営をサポートいただいています。

今回はISUCON 事前講習2021にてハンズオンのインフラ環境を提供していただいた、株式会社KADOKAWA Connectedの皆さんにお話を伺います。「幅広すぎてエグい」と自嘲するほどカバーしている領域が広い株式会社KADOKAWA Connected InfraArchitect部のみなさん、ISUCONに関わることになった経緯やISUCONへのメッセージなどをとても楽しそうにお話しされているのが印象的でした。

まず初めに事前講習のインフラについて背景を説明させていただきますと、事前講習のハンズオンは2日間開催で40名ずつ合計80名に参加可能な形式で予定していました。募集開始から2週間経過した時点で200名以上の申し込みがあり「せっかくなので全員参加してほしい、追加予算どのくらい必要ですか?」と事前講習の講師であるrosylillyさんに確認したところ「きっちり試算していないけどプラス100万円くらいはかかるかも」と聞きしょんぼりしていました。しかし、その翌日に「KADOKAWA Connectedさんが協力してもらえるかも」という話になり、その日のうちにインフラ提供が決まるという凄まじいスピード感で進行し運営一同ビックリという状況でした。

―― 今回は事前講習のインフラ提供ありがとうございました!どういった経緯でサポートいただくことになったのかなど伺えたらと思います。最初にどういった部署で、どのような仕事をしているか教えていただけますか?
東松様(以下、東松):株式会社KADOKAWA Connected という会社のInfraArchitect部で部長をしている東松(とうまつ)です。私達のチームは15名くらいでKADOKAWAグループ全体のインフラを全て見ている部隊です。主にネットワークをみていますが、サーバやデータセンターの契約をしたりセキュリティを見たり社内のWifiを整備する情シス的な業務もしたりと、レイヤー0から7まで担当しています
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――KADOKAWAグループさんといえばWebサービスなどインターネットだけでなく、「ところざわサクラタウン」のような大型複合施設も手掛けていますよね参考記事。その全てを15名で見ているというのは驚異的に思います。
東松:かなり幅広くやっています。特徴としては、メンバーひとりひとりのスペックパフォーマンスが非常に高いこと、よく働くこと、しかし雰囲気はサークルに近いというのがあります。
これまでドワンゴというサービスの流れの中で、インフラ改革を何度も失敗してきたという経緯がありまして「完全に刷新するぞ!」と新しく作られたサービスチームということもあり、真面目すぎずドワンゴっぽい雰囲気もあまりない部署です。

―― 今回は株式会社KADOKAWA Connectedさんと株式会社ドワンゴさんの2社の名義でサポートいただきました。どういった理由だったんでしょうか?
東松:ドワンゴが持っているサーバ資産を、KADOKAWA Connectedは実装・運用者として私達が関わったという内容です。簡単にいうと、モノはドワンゴで人はKADOKAWA Connectedというかんじですね。

――めちゃくちゃわかりやすい説明ありがとうございます。今回、事前講習を開催するに当たってインフラ面でサポートいただきましたがどういった経緯だったんでしょうか?
東松:元々ISUCONには何かしら関われたらいいなと思っていたんですが、事前講習の講師であるrosylillyさんと一緒にボードゲームをやっていた時に「事前講習で使うサーバで困っている、貸してもらえない?」と言われたのがきっかけです。すぐにドワンゴ側のCTOと相談したところすぐにOKが出たので、その場で「いいよ」と即決しました。

――今回はチームメンバーの皆さんにもご協力いただきましたが、皆さん普段からISUCONに参加されたりしているんでしょうか?
東松:じつは今ものすごく忙しい状況で、レクリエーション的に運営協力する余裕がなくて「ISUCONの運営に協力するんだけど志願兵求む」ってかんじで聞いたところ、手を上げてくれたのが今日参加している3名です。なのでrosylillyさんにも「インフラは貸すけど手は動かしてね」と伝えて、インフラ上のシステム構築作業をやってもらったりしました。

――事前講習用のシステムを超高速なインターネットに繋いでいただいていたそうで速度が70Gbps出ていたとか…
東松:そうですね、速度はインターネットに直接挿していたのでアップリンクで100Gbps出ていたはずですね、バックボーンは2Tbでした。ISUCONなのでそんなに高速な環境を用意してもしょうがないんですけど(笑) 今回でISUCON向けの環境は用意できることがわかったので今後も何か一緒にできたらいいですね。何ならもう「ISUCON」てラックに書いておきますよ!

――ありがとうございます!ちなみに今回サポートいただいた皆さんはISUCONに参加したことがないとのことでしたが、今後参加する予定などありますか?
髙木様:IT業界の中でもインフラは「異界」と呼ばれるくらい、閉じてしまいがちなので。ISUCONは色々なことをやる必要がある競技なのでぜひ参加してみたいです。せっかくつよつよな練習環境も今回できたことですし(笑)

立松様(以下、立松):私も興味あれば参加したいと思っているので、来年から参加してみたいと思っています!まずは参加方法から調べないと…

阿部様:ずっと出たいとは思いつつ出損ねているので出てみたいですね。たまにはセキュリティのことを忘れて楽しみたいです。

――楽しいと思いますのでぜひ参加してください!せっかくの機会なので、何かしら宣伝しておきたいことなどありますか?
東松:冒頭でもお話ししたんですが、幅広いことを少数でやっているので常にメンバーを募集しています。入ってから経験を積めば何でも出来るようになりますし、一級のエンジニアになれるのは間違いないと思います。

光ファイバーを引いて工事をするような、ネットワークの全てに手を出せるポジションは世の中にあまりないので「なんでもやりたい」というエンジニアにはとってもおすすめです。アットホームな職場ですのでぜひ!
株式会社KADOKAWA Connected 採用情報サイト
株式会社ドワンゴ採用情報サイト

立松:JANOG48というイベントが7月14日から開催されるんですが、最終日の7月16日(金) 11時からL(レイヤ):ゼロからはじめるインフラ建設 -都内データセンター直結のキャンパスネットワークをゼロから構築してみた-というタイトルで発表をします。「ところざわサクラタウン」の裏側について喋ります、リモートでも参加できるのでぜひ聞いてください。

――最後に、ISUCON11の参加者へのメッセージなどあればお願いします。
東松:最近のIT業界は、上流工程で手を動かす人をまとめる人は増えていますが手を動かせる人が希少になっていて、そういう人たちを大切にしていきたいと思っています。

ISUCONのように、イベントを通じて実際の負荷に近い環境でパフォーマンス・チューニングをすることって少なくなってきていて、こういった場で切磋琢磨する意義を感じています。
泥臭く手を動かして学べる機会だと思いますので、皆さん頑張ってください!

――ありがとうございました!



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